デスクワークやスマートフォンの長時間使用で、肩の重だるさや痛みに悩んでいませんか。そんなとき手軽にできる対処法として注目されているのが「ツボ押し」です。ただし、ツボ押しはあくまでセルフケアの一つ。すべての肩こりが解決するわけではなく、原因によっては医療機関での診察が必要なケースもあります。この記事では、肩こりに効果的なツボの位置や押し方を詳しく解説するとともに、タイプ別のおすすめツボもご紹介します。その肩こり、ツボ押しで様子見をしていい?肩こりを感じたとき、すぐにツボを押して対処したくなる気持ちはよくわかります。しかし、すべての肩こりがセルフケアで対応できるわけではありません。なかには早めに医療機関を受診すべき状態も含まれているため、まずは自分の症状がツボ押しで対処してよいものなのかを確認することが重要です。ここでは、ツボ押しが向いている肩こりと、受診を優先すべきサインについて整理しておきます。自己判断で長期間様子を見続けることで、症状が悪化したり、本来必要な治療が遅れたりするリスクもあります。安全に、効果的にセルフケアを行うためにも、最初にこの見極めをしておきましょう。ツボ押しが向く肩こり日常生活の中で感じる肩こりの多くは、筋肉の緊張や疲労、血行不良が原因となっています。こうした肩こりには、ツボ押しによるセルフケアが効果を発揮しやすいとされています。具体的には、長時間のデスクワークやパソコン作業で同じ姿勢を続けたことによる筋肉のこわばり、精神的なストレスや緊張による肩周りの力み、冷房や寒さによる血流の滞り、運動不足による筋力低下などが挙げられます。これらの肩こりは、適切なツボを刺激することで筋肉の緊張がほぐれ、血液循環が促進されることで症状が和らぐことが期待できます。また、軽度の眼精疲労からくる首や肩の重だるさ、生理前後のホルモンバランスの変化による肩こりなども、ツボ押しと併せて休息や環境調整を行うことで改善が見込まれるケースです。受診優先のサイン一方で、以下のような症状が伴う場合は、ツボ押しで様子を見るのではなく、速やかに医療機関を受診することをおすすめします。腕や手にしびれがある場合、特に片側だけにしびれが出ている場合は、神経の圧迫や頚椎の異常が考えられます。また、腕や手に力が入りにくい、物を持つときに落としてしまうといった脱力感がある場合も注意が必要です。突然の激しい痛みや、安静にしていても治まらない強い痛みは、単なる筋肉疲労ではない可能性があります。発熱を伴う肩こり、胸の痛みや息苦しさを同時に感じる場合、激しい頭痛やめまいを伴う場合も、内科的・循環器的な問題が隠れている可能性があるため、すぐに受診してください。さらに、数週間にわたって症状が続いている、日常生活に支障が出るほどの痛みがある、市販の鎮痛薬を飲んでも効果がないといった場合も、専門医による診察と適切な治療が必要です。自己判断でツボ押しだけを続けることは避け、早めに整形外科や内科を受診するようにしましょう。肩こりに効く代表的なツボ8選【早見表】ここからは、肩こりに効果があるとされる代表的なツボを8つご紹介します。それぞれのツボには位置や効果に特徴があり、自分の症状や生活スタイルに合わせて選ぶことで、より効率的にセルフケアを行うことができます。まずは早見表で各ツボの特徴を確認してから、詳しい押し方をチェックしていきましょう。ツボ名場所主な効果肩井(けんせい)肩の盛り上がりの中心肩こり全般(王道)天柱(てんちゅう)首の付け根首こり・眼精疲労風池(ふうち)天柱の外側目の疲れ・頭重感肩中兪(けんちゅうゆ)首の出っ張る骨付近背中上部の張り肩外兪(けんがいゆ)肩甲骨内側肩甲骨のこわばり手三里(てさんり)肘の近く腕疲れ・PC作業曲池(きょくち)肘外側上半身のこわばり合谷(ごうこく)手の甲万能枠・首肩こり全般肩井(けんせい)肩井は、肩こりに悩む人なら誰もが知っておきたい代表的なツボです。場所の見つけ方首を前に倒したときに背骨で最も出っ張る骨(第7頚椎)と、肩の一番外側を結んだ線の中間点です。肩の盛り上がった部分の中心で、触ってみると少しくぼんでいるように感じられます。反対側の手で肩を掴むようにして、中指で押さえると見つけやすいでしょう。押し方反対側の手の中指か親指を使い、やや下方向に向かって垂直に圧をかけます。5秒ほどかけてゆっくり押し込み、そのまま3〜5秒キープしたら、ゆっくりと力を抜きます。これを3〜5回繰り返してください。効かせるコツ押している間に深呼吸を意識することです。息を吐きながら押し込むと、筋肉がリラックスして刺激が入りやすくなります。また、温めたタオルを肩に当てながら行うと、血行促進効果がさらに高まります。注意点肩井は比較的強い刺激を感じやすいツボなので、力を入れすぎないようにしてください。特に妊娠中の方は、このツボへの強い刺激は避けるべきとされていますので、気をつけましょう。天柱(てんちゅう)天柱は、首の付け根にあるツボで、首こりや眼精疲労による肩こりに特に効果的とされています。場所の見つけ方首の後ろ中央にある骨の出っ張り(後頭骨)から左右に指をずらしていき、太い筋肉(僧帽筋)の外側のくぼみを探します。後頭部の髪の生え際あたりで、親指で押さえると心地よい痛みを感じる場所がそれです。押し方両手の親指を使って左右同時に押すのが効果的です。頭を少し後ろに傾けながら、親指で斜め上方向(頭頂部に向かって)にゆっくりと圧をかけます。5秒押して、3秒休むを3〜5回繰り返しましょう。効かせるコツ押す際に首の力を抜いてリラックスすることです。座った状態で、背もたれに頭を軽く預けながら行うと安定します。目を閉じて、首から頭にかけての緊張がほぐれていくイメージを持つとより効果的です。注意点強く押しすぎると頭痛やめまいを引き起こすことがあります。最初は軽めの力から始めて、自分に合った強さを見つけてください。また、首に痛みやしびれがある場合は無理に押さないようにしましょう。風池(ふうち)風池は天柱のすぐ外側、耳の後ろ側に位置するツボです。目の疲れや頭の重さを伴う肩こりに効果があるとされており、特にパソコン作業やスマートフォンの長時間使用による疲労に適しています。場所の見つけ方天柱の位置を確認してから、そこから指1本分外側(耳側)に移動します。後頭部の骨と首の筋肉の間にある、少しくぼんだ部分がそれです。触ってみると、天柱よりもやや柔らかい感触があります。押し方天柱と同様に両手の親指を使って左右同時に刺激します。頭を軽く後ろに傾け、親指を風池に当てて、やや上方向(目の奥に向かうイメージ)に圧をかけます。ゆっくり5秒かけて押し、3秒キープしてから力を抜く動作を3〜5回繰り返してください。効かせるコツ目を閉じて行うことです。目の奥の疲れを意識しながら、ゆっくりと深呼吸をすることで、眼精疲労からくる肩こりへの効果が高まります。温かい蒸しタオルを首の後ろに当ててから行うのもおすすめです。注意点天柱と同じく強く押しすぎないことです。特に目の奥に響くような痛みを感じる場合は、力を弱めてください。血圧が高い方は、このツボを刺激することで一時的に血圧が変動することがあるため、体調を見ながら行いましょう。肩中兪(けんちゅうゆ)肩中兪は、背中の上部にあるツボで、首の付け根から背中にかけて広範囲に張りを感じる人に適しています。場所の見つけ方首を前に倒して第7頚椎を確認します。そこから真下に背骨を1つ分下りて(第1胸椎)、そこから左右に指2本分ずつ外側に移動した点がそれです。背中に手を回すのが難しい場合は、家族や友人に協力してもらうとよいでしょう。押し方テニスボールなどを使うのが効果的です。仰向けに寝て、ツボの位置にテニスボールを置き、体重をかけてゆっくりと圧をかけます。または、壁と背中の間にボールを挟んで、体重を調整しながら刺激することもできます。5〜10秒体重をかけ、緩めるを3〜5回繰り返します。効かせるコツ力を入れすぎず、じんわりと圧がかかる程度にすることです。呼吸を止めずに、息を吐きながらゆっくりと体重をかけていくことで、深部の筋肉まで刺激が届きます。注意点背骨の真上を押さないことです。必ず背骨から左右に離れた位置を刺激してください。また、痛みが強い場合は無理をせず、ボールの位置を少しずらすなどして調整しましょう。肩外兪(けんがいゆ)肩外兪は、肩甲骨の内側に位置するツボで、肩甲骨周辺がガチガチに固まっている人に特におすすめです。場所の見つけ方肩中兪の位置を基準にして、そこからさらに指1本分外側に移動します。第1胸椎の下から指3本分外側、肩甲骨の上部内側のあたりです。肩甲骨の内側の縁に沿ったあたりで、押すと筋肉の硬さを感じる場所です。押し方肩中兪と同様にテニスボールや専用のマッサージボールを使う方法が効果的です。仰向けに寝てボールを当て、膝を立てて体を左右に揺らすことで、適度な刺激を加えることができます。1箇所につき5〜10秒の刺激を3〜5回繰り返します。効かせるコツ刺激を加えながら肩甲骨を動かすことです。肩をゆっくり回したり、肩甲骨を寄せたり離したりする動きを組み合わせることで、周辺の筋肉もほぐれやすくなります。注意点肩甲骨の骨の上を直接強く押さないことです。骨と筋肉の境界部分を狙って、筋肉を刺激するイメージで行ってください。また、肩や腕にしびれがある場合は、このツボへの刺激は控え、医療機関を受診しましょう。手三里(てさんり)手三里は、腕にあるツボで、肘の近くに位置しています。腕の疲れや、パソコン作業で腕が重だるくなる人に効果的です。場所の見つけ方肘を90度に曲げて横ジワの位置を確認し、親指側(外側)の端から手首に向かって指3本分(人差し指、中指、薬指を揃えて測る)下がった点を探します。押すと少し痛みを感じる場所がそれです。押し方反対側の手の親指を使って、骨に向かってやや強めに押し込みます。5秒押して3秒休む動作を、片腕につき5回程度繰り返します。両腕とも行ってください。効かせるコツ押しながら手首をゆっくり回したり、指を開いたり閉じたりすることです。腕全体の血行が促進され、肩こりの軽減につながります。デスクワークの休憩時間に行うと、腕から肩にかけての疲労がリセットされやすくなります。注意点皮膚が弱い人は強く押しすぎると内出血することがあるため、力加減に気をつけてください。また、肘や手首に痛みや炎症がある場合は刺激を避けましょう。曲池(きょくち)曲池は、肘の外側にあるツボで、上半身全体のこわばりに効果があるとされています。場所の見つけ方肘を90度に曲げて、横ジワの親指側(外側)の端を探します。ちょうど肘の曲がる部分で、押すとズーンとした響きを感じる場所がそれです。手三里よりも肘に近い位置にあります。押し方反対側の手の親指でしっかりと押し込みます。やや中心方向(体の内側)に向けて圧をかけると効果的です。5秒かけてゆっくり押し、3秒キープして力を抜く動作を、片腕につき3〜5回行います。効かせるコツ押す際に腕全体の力を抜いてリラックスすることです。肩の力も同時に抜くことで、上半身の緊張がほぐれやすくなります。息を吐きながら押すと、より深く刺激が入ります。注意点肘の関節部分なので、無理に強く押しすぎないことです。特に肘に痛みや違和感がある場合は刺激を控えてください。また、押した後に腕がだるくなることがありますが、これは血流が良くなっている証拠なので心配ありません。合谷(ごうこく)合谷は、手の甲にあるツボで、万能のツボとして知られています。首肩のこりだけでなく、頭痛や歯痛、ストレスなど幅広い症状に効果があるとされ、肩こりに悩む人の定番ツボです。場所の見つけ方手の甲側で、親指と人差し指の骨が交わる部分よりやや人差し指寄りを探します。親指と人差し指の間の水かき部分を、反対側の親指と人差し指で挟むようにして押すと見つけやすいでしょう。押し方反対側の手の親指を合谷に当て、人差し指側の骨に向かって押し込みます。やや人差し指の骨の下側を狙うイメージで、5秒押して3秒休む動作を5〜10回繰り返します。両手とも行ってください。効かせるコツ仕事中や移動中など、いつでもどこでも刺激できる手軽さを活かすことです。肩こりを感じたらすぐに押す習慣をつけると、症状の悪化を防ぐことができます。深呼吸をしながら行うと、リラックス効果も高まります。注意点妊娠中の方は避けるべきツボとされています。また、強く押しすぎると手がしびれたり、痛みが残ったりすることがあるので、心地よい程度の力で行いましょう。肩こりからくる頭痛にお悩みの方は、こちらの記事も併せてチェックしてみてください。効かせるための「ツボ押しの正解」ツボの位置を知っていても、押し方が適切でなければ十分な効果は得られません。かえって筋肉を痛めたり、不快感を残したりすることもあります。ここでは、ツボ押しの効果を最大限に引き出すための基本的な押し方と、やってはいけないNG行動について解説します。正しい方法を身につけることで、短時間でも効率よく肩こりを和らげることができます。また、安全に続けられるセルフケアとして、日々の生活に取り入れやすくなるでしょう。強さの目安ツボを押す際の力加減は、「痛気持ちいい」と感じる程度が適切です。具体的には、押したときにズーンと響くような感覚があり、不快ではないけれど刺激を感じる、という強さを目指してください。強く押せば押すほど効果が高まるわけではありません。むしろ、強すぎる刺激は筋肉を緊張させたり、組織を傷つけたりする原因になります。特に初めてツボを押す場合は、軽めの力から始めて、徐々に自分に合った強さを見つけていくことが大切です。また、押し続けるのではなく、圧をかけたら必ず力を抜く時間を設けることも重要です。押す・緩めるのリズムを作ることで、血流が促進され、筋肉がほぐれやすくなります。時間と回数一つのツボを刺激する時間は、5秒押して3秒休むというリズムを基本とし、これを3〜5回繰り返す程度が適切です。長時間同じ場所を押し続けることは避けてください。1回のセルフケア全体としても、10分程度を目安にするとよいでしょう。あまり長時間行うと、逆に疲労が蓄積したり、刺激過多になったりする可能性があります。頻度については、1日に2〜3回程度が理想的です。朝起きたとき、仕事の合間、就寝前など、生活リズムの中に組み込むと習慣化しやすくなります。押すタイミングツボ押しの効果を高めるには、タイミングも重要です。最もおすすめなのは、入浴後です。体が温まって血行が良くなっているため、ツボへの刺激が筋肉の深部まで届きやすく、リラックス効果も高まります。仕事中であれば、長時間同じ姿勢を続けた後の休憩時間に行うのが効果的です。1時間に1回程度、数分間のツボ押しを取り入れることで、筋肉の緊張が蓄積するのを防げます。就寝前のツボ押しは、一日の疲れをリセットし、質の良い睡眠につながります。ただし、刺激が強すぎると目が冴えてしまうこともあるので、リラックスできる程度の優しい刺激を心がけてください。逆に、空腹時や満腹直後、飲酒後、発熱時などは避けるべきタイミングです。体調が優れないときは無理をせず、体を休めることを優先しましょう。やりがちなNGツボ押しで最もやってしまいがちなのが、「ゴリゴリと強く押す」ことです。硬い筋肉をほぐそうとして力任せに押しても、筋繊維を傷つけるだけで効果は期待できません。同じ場所を何度も連打するのも避けるべき行動です。刺激が集中しすぎると、その部分だけが過敏になったり、炎症を起こしたりする可能性があります。また、痛みを我慢しながら押し続けるのもNGです。「痛い」と感じる刺激は、体が拒否反応を示しているサインです。痛みを感じたらすぐに力を弱めるか、別のツボに切り替えてください。爪を立てて押す、皮膚を強くこするように押すといった方法も、皮膚や組織を傷つける原因になります。指の腹を使って、垂直方向にじんわりと圧をかけることを意識しましょう。あなたの肩こりはどれ?おすすめツボの選び方【タイプ別】肩こりの原因や症状は人によって異なります。デスクワークで同じ姿勢が続く人もいれば、スマートフォンの使いすぎで首が辛い人、冷えによる血行不良が原因の人もいるでしょう。自分の肩こりのタイプを知ることで、より効果的なツボを選ぶことができます。ここでは、代表的な4つのタイプ別に、おすすめのツボと組み合わせをご紹介します。自分に当てはまるタイプを見つけて、重点的にケアしていきましょう。デスクワーク型(僧帽筋ガチガチ)長時間のパソコン作業や書類仕事で、肩から背中にかけての筋肉が板のように固まってしまうタイプです。特に僧帽筋と呼ばれる、首から肩、背中に広がる大きな筋肉が緊張しています。このタイプには、肩井と手三里の組み合わせが効果的です。まず肩井で肩の中心部の緊張をほぐし、次に手三里で腕の疲労を取ることで、上半身全体の負担を軽減できます。デスクワークの合間に、1時間に1回程度この2つのツボを刺激する習慣をつけると、夕方になっても肩の重さを感じにくくなります。椅子に座ったままできるので、仕事を中断せずに実践しやすいのもポイントです。スマホ首型(首の付け根が重い)スマートフォンやタブレットを見るときに、首を前に突き出したり下を向いたりする姿勢が続くことで、首の付け根に負担がかかるタイプです。首から後頭部にかけての重だるさや、頭痛を伴うこともあります。このタイプには、天柱と風池の組み合わせが最適です。首の付け根にある天柱で首のこりをほぐし、その外側の風池で頭部の血流を促進することで、首から頭にかけての疲労感が軽減されます。スマートフォンを使った後や、下を向く作業が続いた後に、この2つのツボを刺激してください。同時に、首をゆっくり回したり、肩を上下に動かしたりするストレッチを組み合わせると、さらに効果が高まります。冷え型(血行不良)冷房の効いたオフィスや冬場の寒さで体が冷え、血液循環が悪くなることで起こる肩こりです。肩だけでなく、手足の冷えも感じることが多いタイプです。このタイプには、温めることと組み合わせたツボ押しが重要です。肩中兪と肩外兪という、背中から肩甲骨周辺のツボを刺激することで、深部の血流を促進します。ツボを押す前に、温めたタオルを肩や首に当てて血行を良くしてから行うと効果的です。また、入浴後の体が温まっているタイミングで行うのもおすすめです。日頃から体を冷やさない工夫として、温かい飲み物を取る、羽織るものを用意するなどの対策も併せて行いましょう。ストレス緊張型(呼吸浅い)精神的なストレスや緊張が続くことで、無意識のうちに肩に力が入ってしまうタイプです。呼吸が浅くなり、肩で息をするような状態になっていることも多く見られます。このタイプには、ツボ押しと呼吸法を組み合わせることが効果的です。合谷を刺激しながら、深呼吸を意識的に行ってください。4秒かけて鼻から息を吸い、6秒かけて口からゆっくり吐く呼吸を繰り返すことで、自律神経が整い、筋肉の緊張がほぐれやすくなります。また、肩井も併せて刺激すると、肩周りの力みが取れやすくなります。仕事の合間や就寝前など、リラックスできる環境で行うことを心がけてください。ツボ+1で効果が伸びるセルフケアツボ押しだけでも肩こりの軽減は期待できますが、他のセルフケアと組み合わせることで、より持続的な効果が得られます。筋肉の柔軟性を高めたり、血行を促進したり、姿勢を改善したりすることで、肩こりが起こりにくい体づくりを目指しましょう。ここでは、ツボ押しと併せて取り入れたい簡単なセルフケアをご紹介します。どれも短時間で実践できるものばかりなので、日々の生活の中に無理なく取り入れてみてください。肩甲骨を動かす簡単ケア(1分)肩こりの予防と改善には、肩甲骨の動きを良くすることが非常に重要です。肩甲骨が固まっていると、周辺の筋肉も硬くなり、血流が滞ります。簡単にできる肩甲骨のケアとして、肩回しがあります。両肩をゆっくりと前に5回、後ろに5回回してください。このとき、肩甲骨が大きく動いていることを意識することがポイントです。もう一つは、肩甲骨寄せです。背筋を伸ばして座り、両手を背中側で組みます。そのまま腕を下に引っ張るようにして、肩甲骨を背骨に寄せていきます。5秒キープして緩める動作を3回繰り返すだけで、背中の筋肉がほぐれていきます。これらの動きは、デスクワークの合間に取り入れると効果的です。1時間に1回、1分程度でできるので、こまめに実践してみてください。首〜胸(前側)をゆるめる肩こりがある人の多くは、肩が前に巻き込むような「巻き肩」の姿勢になっています。この姿勢が続くと、胸の筋肉が縮んで硬くなり、肩や首への負担が増えてしまいます。巻き肩を改善するには、胸の前面を伸ばすストレッチが有効です。壁の前に立ち、片手を肩の高さで壁につけます。そのまま体を壁と反対側にゆっくりとひねることで、胸の筋肉が伸びていきます。左右それぞれ20〜30秒ずつ行ってください。また、首の前側も硬くなりやすい部分です。顎を軽く引いて、頭を後ろに倒すようにすることで、首の前面が伸びます。このとき、無理に大きく動かさず、気持ちいいと感じる範囲で行うことが大切です。これらのストレッチをツボ押しの前に行うと、筋肉がほぐれやすくなり、ツボへの刺激も入りやすくなります。作業環境どんなにツボ押しやストレッチを頑張っても、作業環境が悪ければ肩こりは繰り返されます。根本的な改善のためには、日常の姿勢や環境を見直すことが欠かせません。デスクワークをする際は、モニターの高さを目線と同じか、やや下になるように調整してください。画面が低すぎると首が下を向き、高すぎると首が後ろに反ってしまいます。キーボードやマウスを使うときは、肘が90度程度に曲がる高さが理想的です。肘置きがあると、腕の重さを支えることができ、肩への負担が減ります。そして最も大切なのが、こまめに休憩を取ることです。どんなに正しい姿勢でも、長時間同じ姿勢を続けることは筋肉への負担になります。30分から1時間に一度は立ち上がって歩く、伸びをする、ツボを押すなどして、体をリセットする習慣をつけましょう。よくある質問(FAQ)ツボ押しを実践する上で、多くの人が疑問に思うことや不安に感じることがあります。ここでは、よくある質問とその答えをまとめました。安全かつ効果的にセルフケアを続けるための参考にしてください。Q1:ツボ押しは毎日やっていい?A:基本的には毎日行っても問題ありません。ただし、1回あたりの時間は10分程度にとどめ、強く押しすぎないことが大切です。毎日の習慣として取り入れることで、肩こりの予防効果も期待できます。ただし、同じツボばかりを集中的に刺激し続けると、その部分が過敏になることがあるため、複数のツボをバランスよく刺激するようにしましょう。Q2:どれくらいで楽になる?A:個人差がありますが、適切なツボを正しく刺激できれば、その場で軽くなったと感じることも少なくありません。ただし、長年蓄積した慢性的な肩こりの場合は、数日から数週間かけて継続することで徐々に改善していくことが多いです。すぐに劇的な変化がなくても、続けることで少しずつ体が変わっていきます。2週間程度続けても全く変化がない場合は、アプローチを変えるか、専門家に相談することをおすすめします。Q3:押すと痛いけど正常?A:適度な痛みや響きは正常な反応です。ただし、我慢できないほどの痛み、押した後も痛みが残る、しびれが出るといった場合は、刺激が強すぎるか、別の問題がある可能性があります。力加減を弱めても痛みが強い場合は、そのツボへの刺激は控えてください。また、押すたびに痛みが増していく場合は、炎症や他の疾患が隠れている可能性があるため、医療機関を受診しましょう。Q4:湿布やストレッチと併用していい?A:併用は問題ありません。むしろ、ツボ押しと他のセルフケアを組み合わせることで、相乗効果が期待できます。湿布で炎症を抑えたり血行を促進したりしながら、ツボ押しで筋肉の緊張をほぐす、ストレッチで柔軟性を高めながらツボを刺激するなど、複数のアプローチを取り入れることで、より効果的に肩こりを改善できるでしょう。Q5:妊娠中・持病がある場合は?A:妊娠中の方は、肩井や合谷など、子宮収縮を促す可能性があるとされるツボへの強い刺激は避けるべきです。特に妊娠初期や切迫流産の既往がある場合は、医師に相談してから行ってください。また、高血圧、心疾患、糖尿病などの持病がある方、血液をサラサラにする薬を服用している方も、ツボ押しによって血圧や血流が変動する可能性があるため、事前に主治医に確認することをおすすめします。不安がある場合は、自己判断せず必ず専門家に相談しましょう。まとめ肩こりに効くツボは体の様々な場所に存在し、自分の症状やタイプに合わせて選ぶことで効率的なセルフケアが可能になります。痛気持ちいい程度の力加減で、5秒押して3秒休むリズムを守ることが大切です。ただし、しびれや脱力感、激しい痛みを伴う場合は速やかに医療機関を受診してください。肩甲骨を動かすストレッチや作業環境の見直しなど、ツボ押し以外のケアも併せて取り入れることで、肩こりが起こりにくい体づくりを目指しましょう。