この記事を監修した医師
慶元 秀規 慶元整形外科リハビリ 骨粗鬆症クリニック
近畿大学医学部卒業後、大手前病院にて初期研修を修了。その後、大阪大学整形外科医局に入局し、関連病院において整形外科疾患を幅広く研鑽を積む。研修を通じて疼痛管理の重要性を深く認識し、超音波(エコー)ガイド下ブロック注射の技術習得に注力。2023年4月、大阪市内に整形外科クリニックを開業する。現在は、エコーガイド下ブロック注射および手術療法を専門の柱とし、とりわけエコーガイド下ばね指手術においては全国症例数No.1の実績を誇る。
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近都 真侑 産婦人科医・産業医
近畿大学医学部卒業し、その後名戸ヶ谷病院で初期研修を経て千葉西総合病院と昭和大学の産婦人科にて勤務。ヤフー株式会社にて専属産業医を経て、JR東日本や株式会社ココナラなど述べ20社の産業医を歴任。
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川原 正行 ルナレディースクリニック院長 / 産婦人科専門医・母体保護指定医
1998年岡山大学医学部卒業。岡山大学病院、広島中電病院、福山医療センターでの産婦人科研修を経て、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)にて医薬品・医療機器の承認審査に従事。こうのとりレディースクリニック、新宿レディースクリニックにて勤務の後、2021年よりルナレディースクリニック院長。
「肩こりがひどくて、めまいまでするようになった」「ふわふわして不安」――そんな経験はありませんか。
肩こりもめまいも現代人にとって珍しくない症状ですが、両方が同時に起こると日常生活に支障をきたすこともあります。
実は、肩こりとめまいには密接な関係があり、姿勢の悪さや首の緊張、自律神経の乱れなどが原因となることが多いです。
ただし、中には放置してはいけない危険なサインが隠れていることもあるため注意が必要です。
この記事では、肩こりとめまいが同時に起こる原因や危険な症状の見分け方、自分でできる対処法や予防策まで分かりやすく解説します。
肩こりとめまいは関係ある?よくある症状の出方

肩こりとめまいは一見すると無関係に思えるかもしれませんが、実際には深い関わりがあります。
首や肩の筋肉が緊張することで血流が悪くなり、脳への酸素供給が不十分になることや、首周辺の神経が圧迫されることで平衡感覚に影響が出ることがあるのです。
また、姿勢の崩れやストレスが自律神経のバランスを乱し、両方の症状を同時に引き起こすこともあります。
めまいの感じ方は人によってさまざまですが、肩こりと一緒に現れる場合、大きく二つのパターンに分けられます。
ふわふわする・フラつくめまいが起こるケース
肩こりと関連して最もよく見られるのが、ふわふわとした浮遊感や、歩いているときにフラつくような感覚です。
このタイプのめまいは「浮動性めまい」とも呼ばれ、頭が雲の上を歩いているような、あるいは地に足がつかないような感覚として表現されることが多いです。
このめまいは、首や肩の筋肉が過度に緊張して血流が悪くなることや、長時間同じ姿勢を続けることで首の骨や神経に負担がかかることが原因となります。
特にデスクワークやスマートフォンの長時間使用など、現代の生活習慣と深く結びついた症状といえるでしょう。
症状は一日中続くこともあれば、立ち上がったときや動き始めに強く感じることもあります。
ぐるぐる回るめまいは肩こり以外の原因も考えられる
一方で、自分や周囲がぐるぐると回転しているように感じる「回転性めまい」は、肩こりとは別の原因で起こることが多い症状です。
このタイプのめまいは、内耳にある平衡感覚をつかさどる器官に問題が生じている可能性があり、良性発作性頭位めまい症やメニエール病といった耳の病気が原因となることがあります。
ただし、回転性めまいと肩こりが同時に起こる場合もあり、その際には首の緊張が耳への血流に影響を与えていることや、ストレスが両方の症状を引き起こしていることも考えられます。
回転性めまいの場合は、耳鳴りや難聴、吐き気などの症状を伴うことが多いため、早めに専門医を受診することが大切です。
肩こりと一緒に出たら注意すべきめまいの症状

肩こりとめまいが同時に起こるケースの多くは、筋肉の緊張や疲労が原因で、適切な対処によって改善が期待できます。
しかし、中には重大な病気のサインである可能性もあるため、どのような症状が危険なのかを知っておくことが重要です。
すぐに医療機関を受診したほうがよい危険サイン
めまいの中には、一刻を争う緊急性の高いものがあります。
特に注意すべきなのは、突然強いめまいが起こり、立っていられないほどの症状が出た場合です。
また、めまいと同時に激しい頭痛が起こる、吐き気や嘔吐が止まらない、意識がもうろうとする、視野が欠けるといった症状がある場合は、脳血管障害の可能性も考えられます。
こうした症状が現れたときは、すぐに救急車を呼ぶか、家族に付き添ってもらって医療機関を受診してください。
脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患は、早期発見と迅速な治療が予後を大きく左右します。
頭痛・しびれ・ろれつが回らない場合は要注意
肩こりとめまいに加えて、手足のしびれや力が入りにくい感覚、ろれつが回らない、顔の片側がゆがむといった症状が出た場合も、すぐに医療機関を受診する必要があります。
これらは脳卒中の典型的な前兆症状であり、時間が経つほど重症化するリスクが高まります。
また、普段とは違う激しい頭痛や、首の後ろに強い痛みがある場合も注意が必要です。
くも膜下出血など、命に関わる病気の可能性があるため、我慢せずに受診することが大切です。
肩こりだと思っていた症状が、実は深刻な病気のサインだったというケースも少なくありません。
判断に迷ったときの考え方
「これくらいの症状で病院に行っていいのか」「様子を見たほうがいいのか」と迷うこともあるでしょう。
判断の目安として、以下のような症状がある場合は早めに受診することをおすすめします。
いつもと違う強い症状がある
症状が急激に悪化している
日常生活に支障が出ている
また、軽いめまいであっても、何日も続く、繰り返し起こる、徐々に悪化しているといった場合は、放置せずに医師に相談しましょう。
自己判断で「大丈夫だろう」と決めつけず、不安を感じたら専門家の意見を聞くことが、健康を守る上で最も重要です。
肩こりとめまいが同時に起こる主な原因

肩こりとめまいが一緒に現れる背景には、さまざまな原因が考えられます。
多くの場合、生活習慣や姿勢の問題が関係していますが、時には病気が隠れていることもあります。
ここでは、代表的な原因について詳しく見ていきましょう。
首こり・姿勢の悪さ(ストレートネック・猫背)
現代人に最も多い原因の一つが、首こりや姿勢の悪さです。
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用によって、頭が前に突き出た姿勢が習慣化すると、首や肩の筋肉に大きな負担がかかります。
特に「ストレートネック」と呼ばれる状態では、本来ゆるやかなカーブを描くはずの頸椎がまっすぐになり、頭の重さを支えるために首周辺の筋肉が過度に緊張します。
この緊張が続くと血流が悪くなり、脳への酸素供給が不十分になることで、ふわふわとしためまいや頭痛が引き起こされます。
また、猫背の姿勢も肩甲骨周辺の筋肉を硬くし、肩こりとめまいの両方を悪化させる要因となります。
首や肩の緊張が関係する「頸性めまい」
首の筋肉や靭帯、神経に問題が生じて起こるめまいを「頸性めまい」と呼びます。
首周辺には平衡感覚をつかさどる神経が通っており、筋肉の緊張や首の骨のズレによってこれらの神経が圧迫されると、めまいやふらつきが生じることがあります。
頸性めまいは、首を特定の方向に動かしたときに症状が強くなることが特徴です。
むち打ちの後遺症や、加齢による頸椎の変形なども原因となることがあり、肩こりと同時に現れやすい症状の一つです。
緊張型頭痛・眼精疲労によるふらつき
肩こりと深く関係する「緊張型頭痛」も、めまいを引き起こす原因になります。
頭や首の筋肉が緊張することで、締め付けられるような頭痛が起こり、同時にふらつきや軽いめまいを感じることがあります。
特に長時間パソコン作業を続けた後や、ストレスが多い日に症状が強くなる傾向があります。
また、眼精疲労もめまいと肩こりを同時に引き起こす要因です。
目の疲れは首や肩の筋肉と連動しており、目を酷使することで首周辺の緊張が強まり、血流が悪くなってめまいが起こりやすくなります。
自律神経の乱れによって症状が出るケース
自律神経は、体のさまざまな機能を自動的に調整する神経で、交感神経と副交感神経のバランスによって健康が保たれています。
しかし、ストレスや睡眠不足、不規則な生活習慣などによってこのバランスが崩れると、肩こりやめまいといった症状が現れやすくなります。
自律神経の乱れは、血圧の変動や筋肉の緊張を引き起こし、ふわふわとしためまいや倦怠感、動悸などを伴うこともあります。
特に季節の変わり目や気圧の変化が大きいときに症状が悪化する人も多く、心身の疲労が蓄積している状態といえるでしょう。
耳や脳など、別の病気が隠れていることもある
肩こりとめまいが続く場合、耳や脳の病気が原因となっている可能性も考えられます。
メニエール病や良性発作性頭位めまい症といった内耳の病気は、回転性のめまいや耳鳴りを引き起こし、同時に首や肩の緊張を伴うことがあります。
また、脳腫瘍や脳血管障害、頸椎の病気などが隠れているケースもあります。
めまいが長引く場合や、他の症状も併発している場合は、自己判断せずに医療機関で検査を受けることが重要です。
肩こりとめまいがあるときは何科に行くべき?

肩こりとめまいの症状が続くとき、どの診療科を受診すればよいのか迷うことも多いでしょう。
症状の種類や程度によって適切な診療科が異なるため、以下を参考に選んでみてください。
耳鳴り・難聴・回転性めまいがある場合
めまいと同時に耳鳴りや難聴、耳の閉塞感があるときや、ぐるぐると回るような回転性めまいが強い場合は、まず耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。
内耳の病気が原因である可能性が高く、専門的な検査と治療が必要です。
耳鼻咽喉科では、聴力検査や平衡機能検査などを行い、原因を特定した上で適切な治療を提案してくれます。
しびれ・言葉のもつれ・強い頭痛がある場合
手足のしびれやろれつが回らない、激しい頭痛があるといった症状がある場合は、脳神経外科や神経内科を受診してください。
脳血管障害や神経系の病気が疑われるため、早急な診断と治療が必要です。
CTやMRIなどの画像検査によって、脳の状態を詳しく調べることができます。
慢性的な肩こりと軽いめまいが続く場合
特に耳や脳に明らかな異常がなく、慢性的な肩こりと軽いめまいが続いている場合は、整形外科やかかりつけの内科を受診するとよいでしょう。
姿勢や筋肉の問題、自律神経の乱れなどが原因と考えられる場合、適切な治療やリハビリテーション、生活指導を受けることができます。
また、症状が複雑で原因が分からない場合は、総合診療科に相談することも一つの方法です。
つらいときに今すぐできる対処法

肩こりとめまいがつらいとき、少しでも症状を和らげるために自分でできる対処法があります。
無理をせず、体に負担をかけない方法を実践してみましょう。
めまいが出たときの正しい過ごし方
めまいが起こったときは、まず安全な場所で座るか横になって安静にしましょう。
無理に立ち上がったり動いたりすると、転倒する危険があります。
横になる場合は、頭を少し高くすると楽に感じることが多いです。
部屋を暗くして静かな環境で休むことで、症状が落ち着きやすくなります。
また、水分を少しずつ取ることも大切です。
めまいが治まった後も、急に立ち上がらず、ゆっくりと動き始めるようにしましょう。
首・肩を無理なく緩めるセルフケア
肩こりとめまいを和らげるためには、首や肩の筋肉をほぐすことが効果的です。
ゆっくりと首を左右に傾けたり、肩を回したりするだけでも、血流が改善されて楽になることがあります。
温かいタオルを首や肩に当てて温めることも、筋肉の緊張をほぐすのに役立ちます。
ストレッチを行う際は、無理に伸ばさず、痛みを感じない範囲で行うことが大切です。
呼吸を止めずに、ゆっくりと深呼吸しながら行うと、リラックス効果も高まります。
やってはいけない対処法
めまいがあるときに避けたいのは、激しいマッサージや無理なストレッチです。
症状が悪化したり、吐き気を催したりすることがあります。
また、めまいがあるときに車の運転や高所での作業をするのは非常に危険です。
アルコールやカフェインの摂り過ぎも、めまいを悪化させる要因となるため、控えるようにしましょう。
自己判断で薬を服用するのも避け、必要に応じて医師に相談してください。
肩こり・めまいを繰り返さないための予防と生活習慣

肩こりとめまいを根本から改善し、再発を防ぐためには、日常生活の見直しが欠かせません。
少しずつでも習慣を変えていくことで、症状は確実に改善していきます。
姿勢・スマホ・デスクワークの見直しポイント
長時間同じ姿勢を続けることは、首や肩に大きな負担をかけます。
デスクワーク中は、椅子の高さやモニターの位置を調整し、背筋を伸ばして座るよう心がけましょう。
目線が下がりすぎないようにすることで、首への負担が軽減されます。
スマートフォンを見るときも、できるだけ目の高さに近づけて使うことで、首の角度を保つことができます。
また、1時間に一度は立ち上がって軽く体を動かすことで、筋肉の緊張をほぐすことができます。
睡眠・ストレス管理で自律神経を整える
質の良い睡眠は、自律神経を整えるために非常に重要です。
毎日同じ時間に寝起きする習慣をつけ、寝る前にはスマートフォンやパソコンの画面を見ないようにしましょう。
寝室を暗く静かにし、リラックスできる環境を整えることも大切です。
ストレスは肩こりとめまいの大きな原因となるため、日常的にリラックスする時間を持つことが必要です。
深呼吸や軽い運動、趣味の時間などを意識的に取り入れることで、心身の緊張をほぐすことができます。
日常的に取り入れたい軽い運動・ストレッチ
適度な運動は、血流を改善し、筋肉の柔軟性を保つために効果的です。
ウォーキングやヨガ、ラジオ体操など、無理なく続けられる運動を日常に取り入れましょう。
特に首や肩を意識的に動かすストレッチは、毎日行うことで予防効果が高まります。
運動を始める際は、いきなり激しい運動をするのではなく、体調に合わせて少しずつ強度を上げていくことが大切です。
こちらの記事では、肩こりに即効性の高いストレッチをご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
肩こりとめまいに関するよくある質問

肩こりとめまいについて、多くの方が抱く疑問に答えていきます。
Q1:肩こりがひどい日だけめまいがします。病院に行くべきでしょうか?
A:肩こりがひどい日にだけめまいが起こる場合は、筋肉の緊張や血流の悪化が原因である可能性が高いです。
ただし、症状が繰り返し起こる、徐々に悪化している、日常生活に支障が出ているといった場合は、一度医療機関を受診して原因を確認することをおすすめします。
Q2:マッサージでめまいは治りますか?
A:適切なマッサージは、肩こりを和らげてめまいの改善につながることがあります。
しかし、強すぎるマッサージや不適切な施術は、かえって症状を悪化させることもあります。
専門の施術者に相談し、自分の症状に合った方法を選ぶことが大切です。
Q3:何日続いたら受診したほうがいいですか?
めまいが数日続く場合や、一週間以上肩こりとめまいが改善しない場合は、受診を検討しましょう。
また、症状の程度に関わらず、不安を感じたら早めに医師に相談することが安心につながります。
Q4:ストレッチで悪化することはありますか?
無理なストレッチや、痛みを我慢して行うストレッチは、筋肉や関節を傷める原因となります。
特にめまいがあるときは、バランスを崩しやすいため注意が必要です。
ゆっくりと、無理のない範囲で行うことが重要です。
まとめ

肩こりとめまいは、現代の生活習慣と深く結びついた症状であり、多くの場合は姿勢の改善や生活習慣の見直しによって改善が期待できます。
しかし、中には重大な病気が隠れていることもあるため、危険なサインを見逃さず、早めに適切な対応をとることが大切です。
つらい症状が続くときは、我慢せずに医療機関を受診し、専門家のアドバイスを受けましょう。
日常生活の中でできるセルフケアや予防法を取り入れることで、健やかな毎日を取り戻すことができるはずです。
この記事が、あなたの健康を守る一助となれば幸いです。

